インフルエンサーマーケティングの基本
~効果や目的別施策/戦略、成功事例まで~
今回は、年々重要度を増すSNSマーケティング、中でもインフルエンサーマーケティングについて、基本から成功事例までお役立ち情報をお届けします。
昨今、InstagramやYouTube、TikTokをはじめとするSNSの利用者数は年々増加しており、商品認知獲得から購買導線の確保、ファンマーケティングなど、「SNSマーケティング」は企業にとって必要不可欠になりました。その中でも、「インフルエンサー」を通じて商品情報を発信する「インフルエンサーマーケティング」は、コロナ禍によるデジタルシフトの影響も後押しし、2020年-2021年は飛躍の年となりました。
株式会社サイバー・バズが2020年10月に発表した『インフルエンサーマーケティング市場規模推計・予測(2018年〜2015年)』 によると、なんと2020年のインフルエンサーマーケティングの市場規模は317億円に達するとの結果に。さらに、2021年は425億円、2025年には2020年比約2.3倍の723億円規模に成長する見込みとなっており、今後も引き続き注目のマーケティング手法であることが分かりますね。
インフルエンサーマーケティングのメリット/効果
- 広告感や営業感を抑え、消費者目線の受け入れられやすい訴求ができる
- 購買導線への誘導
- 効果測定
- 口コミ拡散・UGC醸成
デメリット
- インフルエンサーの選定が難しい
- ステマ(ステルスマーケティング)による炎上の可能性がある
- 企業が伝えたいことをそのまま伝えられない
インフルエンサーの種類
トップ/メガインフルエンサー、ミドルインフルエンサー、マイクロインフルエンサー
目的別活用法
認知拡大フェーズ、興味・関心フェーズ、購買フェーズ
施策の種類
投稿、ギフティング、ライブコマース、アンバサダー
KPI設定
金額/相場
成功事例
インフルエンサーマーケティングとは、主にSNS上で大きな影響力をもつ「インフルエンサー」に製品やサービスを紹介してもらい、口コミを通して消費者の行動(購買など)に影響を与えるデジタルマーケティング手法です。
まだインフルエンサーマーケティングを実施したことがない方は、「どんな効果があるのかわからない・・・」という方も多いはず。
まずは、インフルエンサーマーケティングを実施するメリットは、どのようなものがあるか見ていきましょう。
✓広告感や営業感を抑え、消費者目線の受け入れられやすい訴求ができる
メディア記事や広告と異なり、消費者の憧れ・購買の参考にしている存在である“インフルエンサー”。そんなインフルエンサーがが消費者目線に立って紹介することで、広告感がなく、より好意的に受け入れられやすい情報となります。
✓購買導線への誘導
また、コロナの影響もあり、多くの業界において、ECでの購買数が増加する傾向にあります。このような動きは、コロナウイルスの影響が落ち着いたのちも、人々の購買方法のひとつとして定着することが考えられます。インフルエンサーを活用すれば、投稿やプロフィール部分にリンクを貼ることで、情報収集からそのまま購買導線に繋げることができます。
✓効果測定
広告を配信しただけでは、消費者からの反応を得ることはなかなか難しいですが、インフルエンサーマーケティングであれば、いいね数やコメント内容から、消費者の商品・サービスに対する反応を測定することができます。
✓口コミ拡散・UGC醸成
インフルエンサーが投稿した商品サービスについて、消費者が自身のアカウントでも使用感や感想など質の良い口コミを発信することで、二次拡散されることが期待できます。
また、口コミは主にSNS投稿の形で拡散されるため、UGC(ユーザー生成コンテンツ)も獲得でき、ブランドの話題性や製品の信頼性を高めることにもつながります。近年、WEB検索のみでなく、InstagramやTwitterなどのSNSにて「ハッシュタグ検索」する消費者が増加しており、検索した先にどのようなUGCがあるかが商品購買に大きな影響を与えます。
ここまでインフルエンサーマーケティングを行うことのメリットをお伝えしましたが、一方で、デメリットにはどんなものがあるでしょうか。
✓インフルエンサーの選定が難しい
インフルエンサーの選定によってマーケティングが成功するかどうかが決まるといっても過言ではありません。
企業の目的に沿った高い成果が見込めるインフルエンサ―の選定を慎重に行う必要があります。「フォロワー数」のみで選定するのではなく、ブランドとインフルエンサーの親和性や、インフルエンサーとファンとの関係性、過去のPRの投稿内容なども加味して選定を行いましょう。
✓ステマ(ステルスマーケティング)による炎上の可能性がある
インフルエンサーマーケティングでは、宣伝方法によってはインフルエンサーが炎上してしまう恐れがあるというデメリットが存在します。ステルスマーケティングとは、商品・サービスのPRを企業から報酬を受け取って行っているにも関わらず、あくまでもインフルエンサー自身が自発的にその商品・サービスを紹介しているように装って宣伝を行う手法のことです。
ステマが発覚すると、企業やブランドの社会的信用を大きく損なうようことになります。PRタグはついているのか、文言に問題がないかなど、慎重にチェックしながら進行しましょう。
✓企業が伝えたいことをそのまま伝えられない可能性も
基本的にインフルエンサーに投稿いただきたい内容、伝えていただきたい内容は依頼書などを通じてポイントとして伝えることになりますが、その指示をもとに、インフルエンサーがフォロワーに合わせた内容や、より自然に受け入れられやすい内容にアレンジします。そのため、一言一句希望の内容が反映されないことがあります。しかし、その内容での投稿のほうがよりファンに受け入れられやすく、エンゲージメントが高くなると考えられるため、バランスが大切です。
いかがでしたでしょうか。
メリットとデメリットが分かったところで次はいよいよインフルエンサーの選定です。
インフルエンサーの影響力の大きさはフォロワー数により様々であり、目的や予算に応じて、最適なインフルエンサーの選定をすることが重要です。
様々な分類方法がありますが、ここでは大きく3つに分類してご説明します。フォロワーの数が100万人以上のインフルエンサーは「トップ/メガインフルエンサー」、数十万人以上のインフルエンサーは「ミドルインフルエンサー」、1千人~数万人のインフルエンサーは「マイクロ/ナノインフルエンサー」、と呼ばれています。
それでは、それぞれの特長を見ていきましょう。
トップ/メガインフルエンサー
トップインフルエンサーとは、100万人以上のフォロワー数を誇る人物のことです。テレビなど、マスメディア上で露出する機会も多くあり、顔を見れば多くの人が「知っている」「聞いたことがある」「見たことがある」となり、世間への知名度も高いインフルエンサーです。
一方で、トップ/メガインフルエンサーを起用する際には、フォロワーの属性が肝心です。
例えば、「化粧品商材を女性に与えたいから、ターゲットの属性と近いこの女優を起用しよう」とした場合、商材との相性は良くても、実はファンに男性が多く、せっかく起用しても届けたいターゲットのフォロワーの割合少なかった、ということにもなりかねません。
フォロワー属性が分かるツールを駆使するなど、徹底的に調べたうえで起用するようにしましょう。
ミドルインフルエンサー
ミドルインフルエンサーとは、数十万人のフォロワーを有するインフルエンサーのことです。ファッション、美容、食、育児など、さまざまなジャンルにおける「カリスマ的存在」として活躍し、その業界に感心のある人であれば、ほとんどの人が知っている存在です。
マイクロインフルエンサー
マイクロインフルエンサーとは、フォロワー数が数千人〜数万人程度のインフルエンサーのことを指します。他のインフルエンサーと比べるとフォロワー数は比較的少ないですが、一般ユーザーにとってより身近な存在であり、フォロワーひとりひとりに持つ影響力は多大です。また、コメント返信やアンケート機能など、インフルエンサー自身が積極的にフォロワーとコミュニケーションを取ることも多く、マイクロインフルエンサーによる投稿は、「いいね!」「コメント」などといったアクションを多く獲得できる傾向があり、よりエンゲージメント率の高い投稿が可能です。
どれくらいのフォロワーを抱えるインフルエンサーなのかによって、特性も大きく違いますね。続いて、どのような目的のときに、どのジャンルのインフルエンサーを起用するのが最適なのか見ていきましょう。
マーケティング目的の設定
インフルエンサーマーケティングでは、リーチしたい数(フォロワー数)だけで起用するインフルエンサーを決めるのではなく、目的やフェーズによって、インフルエンサーの種類を使い分けていくことが重要です。
認知拡大フェーズ
新商品・サービスのローンチタイミングにおいて、まずは「認知」を獲得することを第一の目的とする場合、商品・サービス名を「聞いたことがある」「知っている」状態に持っていくため、トップ/メガインフルエンサーを起用します。誰もが知っているインフルエンサーを起用することで、消費者の目に留まりやすくなるだけでなく、マスメディアにも露出する人物が紹介することで、安心感や信頼感を与えることできます。
興味・関心フェーズ
認知を獲得したのちは、「詳しく知りたい」と思わせることが肝心です。このフェーズでは、業界のカリスマである「ミドルインフルエンサー」を活用します。自身が情報の参考にしているインフルエンサーが商品・サービスをおすすめすることで、情報に説得力を持たせ、納得感を与えることができます。
購買フェーズ
情報を得たのちは、実際に購買行動に移させるため、日常の購買の参考とする、等身大のインフルエンサーから情報発信をします。ここで活用するのが「マイクロインフルエンサー」です。マイクロインフルエンサーは、フォロワー数が比較的少ないため、予算に応じて複数人起用し、多くの人が使用している=流行っていると感じさせることが重要です。
施策展開
インフルエンサーマーケティングと一括りに言っても、その施策展開方法は様々です。インフルエンサーが決まったら、そのインフルエンサーにどんな施策を依頼するか、目的によって最適な施策を選定しましょう。
フィード投稿
商品お送り・説明のうえで文章やハッシュタグについて依頼し、フィードやストーリーズにて投稿いただく方法。フィード投稿では、UGCとして残すことができます。そのため、フォロワーだけでなく、フォロワー以外の消費者がSNS上で商品サービスを検索した際に、インフルエンサーの投稿にアクセスさせ、上質な情報をインプットすることができます。
ストーリーズ投稿
ストーリーズ投稿では、投稿から直接飛べるURLを貼ることができるため、コアなターゲットに行動を移させることができます。しかし、ストーリーズ投稿は、ハイライト部分に保存いただかない限り、24時間でフォロワーは見ることができなくなります。また、基本的にフォロワー以外の消費者にリーチするのは難しいという点があります。
ギフティング
インフルエンサーの自宅や事務所に使ってほしい製品をお送りし、体験した感想をSNSに投稿していただく方法です。投稿費がかからないですが、あくまで【任意の投稿】となるので、必ずしも投稿してくれるとは限りません。また、そもそもDMの返信が返ってこないこともありますので各日に投稿いただきたい場合には向きません。
ライブコマース
ライブ配信にてインフルエンサーに商品紹介をしてもらう方法。リアルタイムの質疑応答が可能であり、感心のある消費者の刈り取りに最適。一方で、生放送となり、競合ブランドの同タイミングでの施策や曜日、時間に影響される部分も多いため、視聴者数の予測が立てにくいことがあげられます。
アンバサダー
ブランド専任の広告塔として長期的なパートナーシップを結び、定期的に商品をお送りし、ブランドの魅力を発信してもらう方法。DMで依頼したり、キャンペーンを実施して応募者を募ったりしてアンバサダーを選定します。
最後にKPI(=目標、ゴール)の設定方法です。
目的に沿ってKPIを設定する必要があります。また、いいね・コメント数(率)などは、インフルエンサーによっても大きく異なるため、インフルエンサーごとの数値を適格に設定しましょう。例えば、一般的に、フォロワー数が多ければ多いほど、いいねやコメントなどのエンゲージメント率は低くなる傾向にあります。
気になる費用。インフルエンサー企画では、どのくらいのコストがかかるのでしょうか。一般的には、1投稿あたりフォロワー単価2~4円と言われており、フォロワー数が多ければ多いほど、起用の費用は変わってきます。また、追加でストーリーズの投稿も依頼する場合、LIVE配信も実施する場合などは、追加でオプション費用がかかります。
ここまで、改めてインフルエンサーマーケティングの基本をお伝えさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
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インフルエンサーマーケティングを実施する際には、ぜひお問い合わせください。(お問い合わせ:info@hilomel.com)
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